昭和59年(1984)峰山町教育長河田秀夫氏が大正14年に製作された「峰山線全通」の映像フイルムを公民館で発見されました。当時は国鉄の分割民営化が2年後に迫り、宮津線は廃線の危機に立たされていました。下戸明夫氏(峰山中学校教諭を経て町立図書館長など)は貴重な映画の上映会を計画し、宮津線存続運動の気運を高めるに大いに役立てました。この際原盤の35ミリから16ミリフイルムに再生されました。
その後この映画が上映されることもなくフイルムの存在も忘れられていましたが、平成23年(2011)の当社二百年祭の折、宮司が記念誌編纂のための資料収集をしている中で発見しました。大正時代のフイルムで上映は不可能との理解で、下戸氏が残されたスナップ写真を公開し、映像化の叶う日が願われました。
写真公開の記事が新聞に掲載され、これを見てデジタル映像の製作を申し出て下さったのが、京都市上京区に構える
㈱吉岡映像さんです。
㈱吉岡映像は古く傷んだフイルムを修復しデジタル映像に再生するという屈指の技術を持つ会社で、しかも吉岡社長は丹後町出身の峰山高校卒業生というご縁、新聞記事を見た吉岡社長が奉仕で映像再生を申し出て下さいました。
これを承けて峰山伝統芸能振興会が令和5年に迎える50周年事業に採用し製作に着手することとなりました。はからずも芸能振興会の巽昭(現会長)・中村雅両副会長は吉岡社長と峰高同級生で、クラスも同窓の中村副会長が担当して制作事業に邁進されましたが、病に急逝され、完成した映画を見ていただくことが出来ませんでした。
令和4年遂に完成、9月25日上映会開催の晴れの日を迎えることが出来ました。